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mizaの日記だったりメモだったり

人が人を殺すプレッシャーはあるのか?

先週末にNHKスペシャルを見た。
NHKスペシャル|戦場 心の傷(1) 兵士はどう戦わされてきたか
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080914.html
今晩24:55から再放送があるのでよろしくかったらどうぞ

「発砲率」という言葉がある。
戦場の兵士が銃を「発砲」することができる比率。
第一次大戦後、アメリカ軍の兵士を調べてみたら、
25%くらいしか銃を「発砲」していなかった。
これは軍隊として一大事だ!ということで
研究の末、訓練を強化!

・機械的に命令に服従させる「立て、座れ、立て、座れ」とかからはじまって、
 単純な行動をくりかえさせる(映画「フルメタルジャケット」を参照ください)
・反射的に「人間ぽい」マトを打つことを繰り返す
・敵を人間と見なさない教育をする
結果

朝鮮戦争ベトナム戦争では発砲率は飛躍的に向上。
湾岸戦争ではほぼ100%達成らしい。
しかし、
その裏で、精神的に壊れる兵士がいることが明らかに
アフガニスタン、イラク帰還兵の約半分がなんらかの社会復帰障害を発症。
結果的に30万人くらいの帰還兵がアル中、ドラッグ中、不眠症、自殺、殺人・・・etc

専門家のインタビューのなかで
「そもそも人が人間という同胞を殺すことは、潜在意識でかなりのプレッシャーがある」とか
まあ、動物同士の争いでは「びびらせる」が主体で、
実力行使しても「殺さない」ようにシステム化されてるとか。
(鹿の角の構造やケンカのルールとか)

近代以前の戦争でも軍事衝突をせずに勝負を付ける方が多いとか。
「戦わずして勝つが最上の手」by孫子
だったのに・・・
歴史的にはフランス革命以降の
民主主義+国民軍=総力戦
の流れへ。

閑話休題:
反射的に撃つために
中東風の街を実際につくって、実践さながらの訓練をしていた。
爆弾テロがおき、片足を失った民間人(ハリウッドの最新特殊メイク)が悲鳴をあげるなかで
壁に映し出された人間を瞬間的に判断して撃つ。
テロリストは0.1秒でも速く反射的に撃て!
一方でパウチされた厳格な交戦規定を常に携帯させられ、
間人は絶対に撃つなと教え込まれる。
撃て、撃つな、撃て、撃つな。

凄まじい緊張感のなかで、
ある意味矛盾した命令を遂行し続けたら、
HAL9000でもおかしくなると思う。

反復訓練による「タブーの破壊」をおこない、兵士に作り替える。
ただし、戦場に出すときに訓練はあるが
社会に戻るときには訓練はない。

訓練はまるでサバイバルゲームとFPSのミックスでしたが、
「タブーの再生」にも、ゲームを利用することができると思う。